「タイパ」って本当に大切?〜効率重視の勉強法を考える〜

さて、最近よく耳にするようになった言葉、「タイパ」。「タイムパフォーマンス(Time Performance)」の略で、「いかに短時間で最大の成果を出すか」に注目する考え方です。例えば…。

・動画は1.5倍速で見る
・テスト対策は「出そうなところだけ」やる
・音声コンテンツで移動時間に“ながら学習”などなど

「時間をムダにしたくない!」という意識が背景にあります。この「タイパ」という言葉、保護者世代には、あまりなじみがないかも知れません。でも、よく考えると…

・ドラマは録画してCMは飛ばす
・スーパーの特売は曜日を絞って買い出し
・時短レシピの研究

など、“効率を求める心”はどの世代でも持っているものですよね。”上の世代”からは割と批判的な文脈で出てくることが多いこの言葉ですが、「限られた時間の中で、どうやったら効果的に学べるか?」勉強する上でこれを考えることは、本来とても良い姿勢だと思います。

昨年まで在籍していた、サクセスの講師で阪大の院生をしていた者(元生徒)が、教室に掲示している講師紹介の中でも、そういうことを書いていました。講師側(こちら側)の話ではありますが、「最近の子はそういうことをやっぱり意識しているんだな」と再認識しました。

特に部活もハードで、通学にも時間がかかる高校生などにとっては、バタバタとした毎日の中、「自分の時間をどう使うか」をしっかり考えるのは、立派な自己管理能力の一つです。ただし、タイパの意識を勉強に当てはめ過ぎると、

・理解より先に“暗記だけ”を優先してしまう
・復習をカットして、新出事項の学習のみに価値を感じてしまう
・「結果が出ない=やり方が悪い」と早とちりしてしまう

というケースも出てきています。勉強においては復習が必要だし、「定着」にはどうしても時間が必要です。ここは過度にタイパ意識に流されず、ちゃんと覚悟した方が良いです!!

他の子が20分で覚えられても、自分は40分かかるかもしれない。学校で嫌なことがあり、勉強に集中できなかった。その分、多くの時間を要するかも知れない。などなど、日々色んな事が起こるし、自分特有のことも色々とあるかも知れません。だからこそ、「自分に合ったペースと納得のいくやり方」を知ることが何より大事です。

塾では、「タイパ」という言葉はあまり使いませんが、授業においてはもちろんのこと、限られた時間で効果的に理解できるような指導は大切にしています。やはり、塾生の皆さんにはできるだけスムーズに理解してもらいたいですから!

ただし、学習内容を”腹落ち”させるため、「タイパ」だけでは割り切れない部分もあります。本当に理解できたのか、自分の中で確認しながら、ときには “あえて非効率”に見えるような時間の使い方も必要です。時間を気にせず焦らず、じっくりと腰を据えて取り組む。そんな姿勢もまた、学力を育てる上で欠かせないものだと思います。

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この記事を書いた人

岩田英証のアバター 岩田英証 学習教室サクセス 塾長

学習教室サクセス塾長。生徒一人一人が安心できる居場所を目指しています。同時に、知的好奇心・やる気を刺激し、互いに高め合える環境を提供することで成長を支えたいと思います。この想いのもと、みなさんの可能性を最大限に引き出す教室運営に努めています。

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